手根管症候群と診断され、「手術を勧められたけれど傷が気になる」「仕事や家事を早く再開したい」「できるだけ身体への負担が少ない方法を選びたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。

近年、手根管症候群に対する治療は大きく進歩しています。その中でも注目されているのがエコー(超音波)ガイド下手根管開放術です。

今回は、2023年に発表された論文をもとに、従来の手術とエコーガイド下手術を比較した結果をわかりやすく解説します。

 

 

参考文献

Castro-Menéndez M, Balvís-Balvís P, Oiartzabal-Alberdi I, et al. Percutaneous ultrasound-guided section of the transverse carpal ligament vs. open surgery for the surgical treatment of carpal tunnel syndrome (CTS). Revista Española de Cirugía Ortopédica y Traumatología. 2023;67:T297-T308.

 

 

手根管症候群とは?

手根管症候群は、手首にある「手根管」というトンネルの中で正中神経が圧迫される病気です。

代表的な症状は

・親指から薬指のしびれ
・夜間や早朝の手の痛み
・ボタンかけや箸の使用がしづらい
・物を落としやすい
・親指の筋肉がやせる

などです。

保存療法で改善しない場合には、圧迫の原因である横手根靱帯を切開して神経を開放する手術が必要になります。

 

 

 

従来の手根管手術の問題点

これまでの標準治療は、手のひらを切開する「オープン手術」でした。

非常に確立された安全な手術ですが、

・手のひらの傷の痛み
・手術後の圧痛(pillar pain)
・握力の低下
・仕事復帰まで時間がかかる

といった問題がありました。

そのため、より低侵襲な治療法として開発されたのがエコーガイド下手根管開放術です。

 

 

 

エコーガイド下手根管開放術とは?

エコーガイド下手根管開放術では、超音波で神経や血管をリアルタイムに確認しながら、わずか数ミリの切開から特殊な器具を挿入して横手根靱帯を切離します。

 

 

この方法では、

神経や血管を見ながら安全に手術できる

という大きなメリットがあります。

従来の経皮的手術では神経損傷のリスクが問題視されていましたが、エコーを併用することで安全性が大きく向上しています。

 

 

論文ではどのような比較が行われたのか?

この研究では手根管症候群患者50名を対象に、

・エコーガイド下経皮的手術 25例
・従来のオープン手術 25例

を比較しました。

術後2週間、6週間、3か月で評価を行い、

・症状改善度
・機能改善度
・握力回復
・合併症
・患者満足度

を調査しています。

結果① 症状改善は両群とも良好

最も重要な結果は、

エコーガイド下手術も従来手術と同等の症状改善効果を示した

ことです。

しびれや痛みは両群とも大きく改善し、統計学的な差はありませんでした。

つまり、

「小さな傷だから効果が劣る」ということはありませんでした。

 

 

結果② 握力の回復はエコーガイド下手術が有利

この研究で特に注目されたのが握力の回復です。

術後6週間時点では、

エコーガイド下手術の患者さんの方が握力の回復が有意に早い

ことが示されました。

仕事や家事、育児、スポーツなどを早く再開したい患者さんにとって大きなメリットといえるでしょう。

最終的な3か月後の成績は両群で同等でしたが、

早期回復という点ではエコーガイド下手術が優れている可能性があります。

 

 

 

結果③ 合併症は増えなかった

低侵襲手術で気になるのが安全性です。

この研究では、

・神経損傷
・血管損傷
・重大な合併症

は認められませんでした。

また、術後の痛みや感染率も従来手術と大きな差はありませんでした。

著者らは、

エコーで神経や血管を確認しながら行うことが安全性向上につながっている

と結論付けています。

 

 

 

エコーガイド下手術のメリット

論文の結果とこれまでの報告を総合すると、エコーガイド下手根管開放術には以下の利点があります。

傷が非常に小さい

手のひらの痛みを軽減できる可能性がある

握力回復が早い

日常生活への復帰が早い

神経や血管を見ながら安全に施行できる

局所麻酔で施行できる

患者さんにとって身体的負担の少ない治療法と考えられています。

 

 

 

はせがわ整形外科運動器エコークリニックの手根管症候群治療

大阪市平野区のはせがわ整形外科運動器エコークリニックでは、

手外科専門医による手根管症候群診療

高精度エコーによる診断

エコーガイド下神経ブロック・注射治療

エコーガイド下手根管開放術

を提供しています。

従来の大きな切開を必要としないため、

患者さんの身体への負担を最小限に抑えながら治療できることが特徴です。

当院では、大学病院で多数の手根管症候群手術を経験してきた手外科専門医が診療を担当しています。

 

手術が必要かどうか迷われている方も、まずはお気軽にご相談ください。

https://hasegawaseikei.com

 

 

 

手根管症候群でお悩みの方へ

手根管症候群は放置すると神経障害が進行し、親指の筋力低下や感覚障害が残ることがあります。

しかし、適切な時期に治療を受ければ良好な改善が期待できます。

近年はエコー技術の進歩により、従来よりも身体への負担が少ない手術が可能になっています。

「手術は怖い」「仕事を休めない」「できるだけ早く治したい」

そのような方こそ、エコーガイド下手根管開放術という選択肢があります。

手のしびれや夜間痛でお困りの方は、ぜひ一度、はせがわ整形外科運動器エコークリニックへご相談ください。

https://hasegawaseikei.com