
透析患者さんに増える「手の症状」とは?
透析治療を長年続けている患者さんのなかには、
・手がしびれる
・夜中に手が痛くて目が覚める
・指が曲がったまま伸びない
・物をつまみにくい
・ボタンがかけにくい
といった症状を経験される方が少なくありません。
実はこれらの症状の背景には、透析患者さんに特有の手根管症候群やばね指が隠れていることがあります。
近年の研究では、長期透析患者さんでは手の疾患が高頻度に発生し、日常生活の質を大きく低下させることが報告されています。
透析患者さんで手根管症候群が増える理由
手根管症候群は、手首にある「手根管」というトンネルの中で正中神経が圧迫される病気です。
透析患者さんでは、透析アミロイドーシスと呼ばれる状態が関与すると考えられています。
透析期間が長くなるとβ2ミクログロブリンというタンパク質が体内に蓄積し、手根管周囲の組織や腱鞘に沈着します。その結果、神経が圧迫され、しびれや痛みが生じます。
研究では、透析期間が長くなるほど手根管症候群の発症率が高くなることが示されています。特に10年以上透析を受けている患者さんでは注意が必要です。
透析患者さんの手根管症候群の症状
代表的な症状は以下の通りです。
・親指から薬指のしびれ
・夜間の手の痛み
・手を振ると楽になる
・細かい作業がしにくい
・親指の筋肉がやせてくる
進行すると箸を持つ、ボタンを留める、財布から小銭を取り出すといった動作が困難になります。
透析患者さんでは末梢神経障害を合併していることも多いため、「透析の影響だから仕方ない」と思われて見逃されているケースも少なくありません。
透析患者さんに多い「ばね指」
透析患者さんでは、手根管症候群だけでなく「ばね指」も高頻度にみられます。
ばね指とは、指を曲げ伸ばしする腱が腱鞘に引っかかることで発生する病気です。
症状としては、
・朝に指がこわばる
・指がカクッと引っかかる
・痛みを伴う
・重症化すると指が伸びなくなる
といった特徴があります。
透析アミロイドーシスによる腱や腱鞘の肥厚が原因の一つと考えられており、手根管症候群とばね指を同時に発症する患者さんも少なくありません。
透析患者さんの手の症状は早期診断が重要
透析患者さんの手の症状は、放置すると神経障害や腱の障害が進行し、回復が難しくなることがあります。
特に手根管症候群では、親指の筋肉が萎縮してしまうと術後も十分な機能回復が得られない場合があります。
そのため、
「しびれくらいだから大丈夫」
「透析をしているから仕方ない」
と考えず、早期に専門的な診察を受けることが大切です。
運動器エコーによる診断のメリット
近年は運動器エコー(超音波検査)の進歩により、神経や腱の状態をリアルタイムで評価できるようになりました。
当院では運動器エコーを用いて、
・正中神経の腫大
・腱の肥厚
・腱鞘炎の有無
・神経圧迫の程度
をその場で確認できます。
レントゲンではわからない異常を可視化できるため、患者さん自身も病態を理解しやすいというメリットがあります。
詳しくは、はせがわ整形外科運動器エコークリニック公式ホームページをご覧ください。
透析患者さんの手術治療にも対応しています
透析患者さんの手術は一般の患者さんと比較して注意点が多く、経験のある手外科専門医による診療が重要です。
当院院長は大学病院勤務時代から多数の透析患者さんの手外科診療・手術に携わってきました。
これまでに、
・手根管症候群
・ばね指
・手関節痛
・腱断裂
・透析アミロイドーシス関連疾患
など、多くの透析患者さんの手のトラブルに対応してきました。
必要に応じて低侵襲治療から手術まで一貫して対応しています。
透析患者さんでこのような症状があればご相談ください
以下の症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
・手がしびれる
・夜中に手が痛い
・指が引っかかる
・物を落としやすくなった
・親指の力が入りにくい
・透析歴が長く最近手の症状が増えてきた
透析患者さんの手の症状は「年齢のせい」や「透析のせい」で片付けてはいけません。
適切な診断と治療によって症状改善が期待できるケースは数多くあります。
当院では手外科専門医が透析患者さんのあらゆる手の症状に対応しています。
透析歴が長く、手のしびれやばね指でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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