透析を長く続けている患者さんの中には、「手がしびれる」「夜中に痛みで目が覚める」「指が曲がったまま伸びない」「細かい作業がしづらい」といった症状で悩まれている方が少なくありません。

これらの症状は単なる加齢現象ではなく、透析患者さん特有の病気である「透析関連アミロイドーシス」が原因となっていることがあります。

今回ご紹介する論文では、透析患者さんに発症する手根管症候群について詳しく調査されており、透析期間が長くなるほど手根管症候群の発症率が著しく増加することが報告されています。

 

Lee SK, Kim SG, Kim H, Choy WS. Carpal tunnel release under wide awake local anesthesia with no tourniquet in hemodialysis patients with arteriovenous shunt. Orthopaedics & Traumatology: Surgery & Research. 2023;109:103413.

はせがわ整形外科運動器エコークリニックでは、手外科専門医が透析患者さんの手の症状を専門的に診療しています。

透析患者さんの手根管症候群やばね指、手首の痛みでお困りの方はぜひご相談ください。

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手根管症候群とは?

手根管症候群は、手首の中を通る正中神経が圧迫されることで起こる病気です。

主な症状は

・親指から薬指のしびれ

・夜間の痛み

・ボタンが留めにくい

・箸が使いにくい

・物を落としやすい

などです。

進行すると親指の筋肉がやせてしまい、日常生活に大きな支障をきたします。

一般の方にもみられる病気ですが、透析患者さんでは特に高頻度に発症することが知られています。

 

 

 

透析患者さんに手根管症候群が多い理由

透析患者さんでは、β2ミクログロブリンというタンパク質が体内に蓄積し、アミロイドという異常なタンパク質として関節や腱の周囲に沈着します。

これを透析関連アミロイドーシスと呼びます。

論文では、手術時に採取した組織を調べたところ、約9割の患者さんでアミロイド沈着が確認されました。

このアミロイドが手根管内に蓄積することで神経が圧迫され、手根管症候群を引き起こします。

また同じメカニズムにより、透析患者さんではばね指も非常に多くみられます。

透析期間が長いほど危険性は高くなる

本研究では275名の透析患者さんを調査し、そのうち43名(15.6%)に手根管症候群が認められました。

特に注目すべきなのは透析期間との関係です。

透析歴10年未満では発症率は6%でしたが、

透析歴10〜14年では21%

透析歴15〜19年では54%

透析歴20〜24年では86%

透析歴25年以上では100%

という非常に高い発症率でした。

透析歴が長い患者さんほど、手のしびれや指の引っかかりを「年齢のせい」と考えず、専門的な診察を受けることが重要です。

 

 

 

透析患者さんに多い手の病気

透析患者さんでは手根管症候群以外にもさまざまな手の病気がみられます。

・ばね指

・手根管症候群

・母指CM関節症

・手首の変形性関節症

・腱断裂

・透析関連アミロイドーシスによる関節障害

などです。

特にばね指と手根管症候群は同時に発症することも少なくありません。

「指が引っかかる」「朝に指がこわばる」「しびれがある」という症状があれば注意が必要です。

 

 

 

透析患者さんの手術は特別な配慮が必要

透析患者さんの多くはシャントを使用しています。

通常の手根管症候群手術では止血のために駆血帯(ターニケット)を使用しますが、シャント肢では血流障害や血栓形成のリスクが懸念されます。

今回の論文では、WALANT(Wide Awake Local Anesthesia No Tourniquet)という特殊な局所麻酔法を用いることで、シャント肢でも安全に手術を行えることが示されました。

手術後は全例で症状が改善し、重大な合併症も認められませんでした。

透析患者さんの手術では、単に手術技術だけでなく、透析患者特有の全身管理やシャントへの配慮が非常に重要になります。

 

 

 

はせがわ整形外科運動器エコークリニックの特徴

はせがわ整形外科運動器エコークリニックでは、透析患者さんの手の症状に対して専門的な診療を行っています。

院長は手外科専門医として大学病院勤務時代から多数の透析患者さんの診療および手術に携わってきました。

透析患者さんに多い

・手根管症候群

・ばね指

・手首の痛み

・親指の痛み

・指の変形

・腱断裂

・透析関連アミロイドーシスによる手の障害

について豊富な経験があります。

また運動器エコーを用いることで、その場で神経や腱の状態をリアルタイムに確認しながら診断できます。

レントゲンだけではわからない病変も評価できるため、早期診断・早期治療につながります。

手根管症候群やばね指は早めの受診がおすすめです

 

透析患者さんでは症状が進行すると神経障害や筋萎縮が残ることがあります。

 

特に

・夜間のしびれ

・親指から薬指のしびれ

・指が引っかかる

・握力低下

・細かい作業がしづらい

といった症状がある場合には、早めの受診をおすすめします。

早期であれば注射や装具治療で改善できる場合もありますし、手術が必要な場合でも適切なタイミングで治療を受けることで良好な結果が期待できます。

 

 

 

まとめ

透析患者さんの手根管症候群は決して珍しい病気ではありません。

透析期間が長くなるほど発症率は上昇し、多くの患者さんで透析関連アミロイドーシスが関与しています。

また、ばね指や手首の痛みも透析患者さんに多くみられる重要な症状です。

「透析をしているから仕方ない」と我慢する必要はありません。

手のしびれや指の引っかかり、手首の痛みでお困りの方は、透析患者さんの診療経験が豊富な手外科専門医にご相談ください。

はせがわ整形外科運動器エコークリニックでは、透析患者さんのあらゆる手の症状に対応しています。

詳しくは当院ホームページをご覧ください。

https://hasegawaseikei.com