肩を上げると痛い、服を着る動作がつらい、夜になると肩がズキズキする。このような肩の痛みでお困りではありませんか。

肩の痛みはとてもよくある症状ですが、原因はひとつではありません。一般的に「四十肩・五十肩」と言われることも多い一方で、実際には肩の中にある“クッション”のような組織に炎症が起きて、痛みが長引いていることがあります。今回ご紹介する論文では、肩の中にあるこのクッション部分の慢性的な炎症をエコーで見つけ、エコーを使いながら治療することの有用性が報告されています。

はせがわ整形外科運動器エコークリニックでは、こうした肩の痛みに対してエコーを活用しながら、原因をできるだけその場で確認し、患者さんにわかりやすく説明したうえで治療方針をご提案しています。肩の痛みが長引いている方、他院で治療しても改善が乏しい方は、ぜひ最後までご覧ください。
肩の痛みの原因は「五十肩」だけではありません
肩が痛いと、「年齢のせいですね」「五十肩でしょう」と言われることがあります。もちろん、五十肩は非常によくある病気です。しかし、肩の痛みの原因はそれだけではありません。
肩には、骨、腱、筋肉、靱帯、関節包、そして滑液包と呼ばれる組織があります。これらのどこに問題が起こるかによって、症状の出方も治療法も変わります。たとえば、腱板の傷み、石灰沈着、上腕二頭筋長頭腱の炎症、関節の硬さ、そして滑液包の炎症など、似たような症状でも中身はまったく違うことがあります。
そのため、肩の痛みを改善するには、ただ「肩が痛い」という表面的な症状だけを見るのではなく、「どこが、なぜ痛いのか」を丁寧に見極めることがとても重要です。
肩の中にある“クッション”とは何か
今回の論文で注目されているのは、肩峰下滑液包という部分です。少し難しい名前ですが、簡単にいうと、肩を動かしたときに骨や腱がこすれにくくなるように助けてくれる“クッション”のような組織です。
このクッションが正常であれば、腕を上げたり回したりするときも、肩の中の組織がなめらかに動きます。しかし、長い間炎症が続くと、この部分が厚くなったり、硬くなったり、動きが悪くなったりします。すると、肩を動かすたびに引っかかるような感じがしたり、腕が上がりにくくなったり、夜間痛が出たりします。論文では、このような慢性的な変化が肩の痛みの原因になることが示されています。
長引く肩の痛みでよくみられる症状
肩のクッション部分の炎症や動きの悪さがあると、次のような症状がみられることがあります。
肩を上げると途中で痛む
洗濯物を干す動作がつらい
服を着る・脱ぐ動作で痛む
寝返りで肩がズキズキする
肩を動かすと引っかかる感じがある
湿布や痛み止めだけではなかなか改善しない
注射をしても再び痛くなる
こうした症状がある場合、単なる「肩こり」や「年齢による痛み」ではなく、肩の中の炎症や滑りの悪さが隠れている可能性があります。
なぜ肩の痛みにエコー検査が重要なのか
肩の診療では、問診や診察だけでもある程度原因を推測できます。しかし、肩は似たような症状でも原因が違うことが多く、診察だけでははっきり区別できないことがあります。
そこで重要になるのがエコー検査です。エコーは、お腹の検査や妊婦健診のイメージが強いかもしれませんが、実は肩、肘、手、膝などの運動器の診療でも非常に役立ちます。論文でも、筋骨格系の痛みの評価においてエコーが有用であることが述べられています。
エコー検査の大きな利点は、被ばくがなく、その場ですぐに確認できることです。さらに、肩を実際に動かしながら観察できるため、動いたときにどこで引っかかっているのか、どこに炎症があるのかを確認しやすいという特徴があります。
レントゲンでは骨の情報はわかりますが、腱や滑液包のようなやわらかい組織は十分に見えません。肩の痛みの原因が軟部組織にある場合、エコーがとても役立ちます。
論文で示された新しい考え方
今回の論文では、慢性的な肩の痛みがある患者さんの中に、肩のクッション部分が厚くなり、硬くなり、動きが悪くなっているタイプがあることが示されています。著者らは、この状態を慢性の肩峰下滑液包炎としてとらえ、エコーで特徴を確認しています。
つまり、肩が痛いからといって、すべてが同じ病気というわけではないということです。肩の中のどこに問題があるのかを見分けることで、より適切な治療につながる可能性があります。
この考え方は、患者さんにとってもとても大切です。なぜなら、「なかなか治らない肩の痛み」の原因が、実は見逃されやすい部分にあったというケースがあるからです。
エコーを見ながら行う肩の治療とは
論文では、エコーで確認しながら、炎症が起きて厚くなったクッション部分に治療を行っています。具体的には、エコーで場所を確認しながら液体を入れ、狭くなって動きが悪くなった部分を広げるように治療する方法です。これはハイドロリリースと呼ばれる方法です。
難しい言葉ですが、患者さん向けに言えば、「動きが悪くなっている部分を、エコーで確認しながら丁寧に広げていく治療」です。
この方法の大きな利点は、エコーを使うことで治療したい場所を見ながら進められることです。見えないまま注射をするのではなく、実際に状態を確認しながら行うため、より的確な治療につながりやすくなります。
ハイドロリリース注射 https://hasegawaseikei.com/medical/hydororelease/
論文ではどのような結果だったのか
この論文では、慢性的な肩の痛みがある患者さんを対象に、エコーを見ながら治療を行ったグループと、通常の方法で注射を行ったグループを比較しています。両方のグループで症状の改善はみられましたが、エコーを使って治療したグループのほうが、追加の治療を必要とする人が少なかったと報告されています。
これはとても大切なポイントです。単に注射をすればよいのではなく、「どこに、何が起きているのか」を見極めたうえで治療することが、結果の違いにつながる可能性があるということです。
肩の痛みで何度も注射を繰り返している方や、一時的にはよくなるけれどまた再発する方にとって、この考え方はとても参考になります。
肩の治療は注射だけで終わりではありません
論文では、治療後にリハビリも行われています。これは肩の治療において非常に大切です。
痛みがあると、肩をかばうようになり、動き方が悪くなります。その状態が続くと、さらに動かしにくくなり、筋力も落ち、肩の機能が低下してしまいます。そこで、痛みを和らげる治療に加えて、正しい動きを取り戻すためのリハビリを組み合わせることが重要になります。
つまり、肩の痛みの改善には、
正確な診断
必要に応じた注射や処置
状態に合わせたリハビリ
この3つをバランスよく行うことが大切です。
こんな肩の痛みは一度しっかり調べることをおすすめします
次のような方は、一度エコーを活用した詳しい診察を受ける価値があります。
肩の痛みが何か月も続いている
夜間痛が強い
腕を上げる途中で痛む
五十肩と言われたがなかなか改善しない
注射をしてもまた痛くなる
リハビリをしているが原因がはっきりしない
レントゲンでは異常なしと言われたが痛みが続く
肩の痛みは、見た目だけでは原因がわからないことが少なくありません。とくに長引いている場合は、「まだ治っていない」のではなく、「本当の原因にまだたどりつけていない」可能性もあります。
はせがわ整形外科運動器エコークリニックの肩の痛み診療
大阪市平野区のはせがわ整形外科運動器エコークリニックでは、肩の痛みに対してエコーを活用した診療を重視しています。
肩の中で何が起きているのかをできるだけその場で確認し、患者さんにも画像を見ていただきながら、わかりやすく説明することを大切にしています。肩の痛みといっても、腱の炎症、腱板損傷、石灰沈着、滑液包炎、五十肩など、原因はさまざまです。そのため、画一的に同じ治療をするのではなく、状態に合わせた治療をご提案することが大切だと考えています。
エコー診療の強みは、原因をその場で探しやすいこと、必要に応じてそのままエコーガイド下の治療につなげやすいこと、そして患者さん自身が病状を理解しやすいことです。自分の肩の状態がわかると、治療への納得感も高まります。
肩の痛みを我慢しないで早めにご相談ください
肩の痛みは、「そのうち治るだろう」と我慢しているうちに長引いてしまうことがあります。特に、夜もつらい、腕が上がらない、日常生活に支障が出ているという場合は、早めの受診をおすすめします。
今回の論文は、肩の中のクッション部分の慢性的な炎症に注目し、エコーで見極めて治療することの大切さを示した内容でした。肩の痛みはひとくくりにできるものではなく、原因に応じた診断と治療が必要です。
肩の痛みが続いている方、他院で治療しても改善が乏しい方、五十肩と言われたけれど本当にそれだけなのか気になる方は、はせがわ整形外科運動器エコークリニックまでご相談ください。エコーを活用しながら、肩の痛みの原因を丁寧に見極め、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案いたします。





