メノポハンド(Menopausal Hand)は、特に更年期前後の女性に多くみられる手指のこわばりや痛み、しびれなどの症状を指す新しい概念です。近年、女性ホルモンの変化と手指症状の関連が注目されており、整形外科や婦人科領域でも関心が高まっています。

 

メノポハンドの主な症状

以下のような症状が日常生活に支障をきたすことがあります。

  • 朝の手指のこわばり

  • 指から手掌にかけてのしびれ

  • 指関節の痛みや腫れ

  • 握る・開く動作時の違和感

  • 家事や仕事など日常動作での不快感

 

病因と最新研究

メノポハンドの発症には、エストロゲンの急激な減少が深く関与しています。関節や腱の周囲にある滑膜にはエストロゲン受容体が多く存在し、ホルモンバランスの変化によって炎症や腫れが生じやすくなります。

また、長寿遺伝子として知られる「Sirt1」の発現や、疼痛・機能評価指標(DASH、VAS)を用いた臨床研究では、治療前後の改善効果が報告されています。これにより、エストロゲン補充療法やエクオール(大豆イソフラボン由来成分)などの補助療法が注目されています。

 

治療と予防法

メノポハンドの治療には以下のような選択肢があります。

  • 漢方薬による体質改善

  • エクオールの摂取(筋肉・関節痛の軽減に有効との報告あり)

  • PRP注射(自己血由来の成長因子を用いた再生医療)

当院では手指へのPRP注射を多数実施しており、安全性と効果の面で高い評価を得ています。

 

 

臨床のポイント

メノポハンドを放置すると、手指の変形に至る可能性もあるため、早期の診断と介入が重要です。治療効果は個人差があるため、MCID(最小臨床的有効変化)などの指標を参考にしながら、患者ごとに適切な治療方針を立てることが求められます。

 

 

まとめ

メノポハンドは、更年期女性に多くみられる手指の不調であり、エストロゲンの変化と滑膜の影響が病態に深く関与しています。ホルモン補充療法やエクオール、PRP注射など多様な治療法が存在し、セルフケアも含めた包括的な対応が求められます。早期発見と適切な介入が、症状の進行を防ぐ鍵となります。この記事を読んで気になった方は当院にお越しいただければ、納得できるまで説明させていただきますのでお気軽に来院くださいね!

 

 

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