ばね指(弾発指)は、指の腱が腱鞘を通過する際に引っかかりや痛みが生じる疾患です。従来の治療法では皮膚を切開して腱鞘を直接確認しながら処置を行う方法が一般的でしたが、近年では「エコーガイド下腱鞘切開」が注目されています。従来法とエコーガイド下腱鞘切開を直接比較した研究は本記事を書いている時点ではまだありませんでしたが、様々な文献からエコーガイド下のメリットがあることが分かります。

主な利点

  • 皮膚切開が最小限で済むため、術後の痛みや傷跡が軽減される。

  • 超音波により腱や重要な血管・神経の位置をリアルタイムで確認できるため、不意な損傷のリスクが低い。

  • 通常の切開法に比べて短時間で施術が可能。

  • 術後のリハビリや復帰が早く、長期休養が不要な場合が多い。

他疾患でのエコーガイド下切開の知見

手根管症候群や肘部管症候群など、類似する神経圧迫性疾患においても、エコーガイド下での手技は安全性や治療効果が高いと報告されています。これらの疾患でも、術野を直接見ることなく、リアルタイム画像で解剖学的構造を把握できる点が共通の利点です。

ばね指への応用可能性

こうした知見を踏まえると、ばね指に対するエコーガイド下腱鞘切開も、低侵襲・高安全性・早期復帰といったメリットが期待できる治療法として、今後さらに普及していく可能性があります。当院では、この最新治療を手の疾患に精通し症例数豊富な手外科専門医により行っています。また保険診療で受けていただける体制を整えていますのでお気軽にお越しください。

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切らないばね指の紹介動画

 

【執筆者】

はせがわ整形外科運動器エコークリニック 

院長 長谷川 英雄

奈良県立医科大学医学部卒業。日本整形外科学会専門医・日本手外科学会専門医(医学博士)。手外科・運動器エコー診療を専門とし、国内外で研究・教育活動にも従事。チェンマイ大学医学部(タイ)派遣研究員、サン・ロッククリニック(フランス)留学、IRCAD台湾・IRCADストラスブール招聘講師を歴任。日本整形外科超音波学会評議員、Journal of Orthopaedic ScienceおよびJournal of Medicine and Urban Health査読委員など

 

参考文献

  1. Sahu, S. K., et al. “Retrograde Percutaneous Release of Trigger Finger or Thumb Using Sono-Instruments®: Detailed Technique, Pearls, and Pitfalls.” PMC10809902, 2023-12-31.
  2. Yang, S., et al. “Ultrasound-guided needle knife for releasing Osborne’s ligament: an anatomical study.” PMC11847171, 2025-01-20.
  3. Yang, S., et al. “Case report: Ultrasound-guided needle knife technique for carpal ligament release in carpal tunnel syndrome treatment.” PMC10665483, 2023-11-08.
  4. Tang, Z., et al. “USG-Guided Percutaneous Thread Carpal Tunnel Release.” PMC11419756, 2024-03-31.