手のしびれや指先の違和感を感じていませんか。 特に 親指・人差し指・中指のしびれ が続く場合、「手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」の可能性があります。
手根管症候群は整形外科外来で非常に多く診断される疾患で、成人の3〜6%が発症するといわれています。 しかし初期症状は軽いため、
年齢のせい
使いすぎ
肩こり
首の問題
などと自己判断され、受診が遅れるケースも少なくありません。
この記事では、
手根管症候群の症状
見逃されやすいサイン
整形外科での診断方法
最新研究で注目されている診断法
について、手外科専門医の視点でわかりやすく解説します。
手根管症候群とは
手根管症候群は、手首の中を通る正中神経が圧迫されることで起こる神経障害です。
手首には「手根管」と呼ばれるトンネルがあり、その中を
正中神経
指を動かす腱
が通っています。
このトンネル内の圧力が上がると、神経が圧迫されてしびれや痛みが起こります。
この症状があれば要注意
次の症状がある場合、手根管症候群の可能性があります。
指のしびれ
特に 親指・人差し指・中指・薬指の親指側 にしびれが出ます。
夜中に手がしびれる
手根管症候群の特徴的な症状です。
夜中や明け方に手がジンジンする
しびれで目が覚める
手を振ると楽になる
といった症状がよく見られます。
細かい作業がしにくい
ボタンがかけにくい
ペットボトルのフタが開けにくい
箸が使いにくい
などの症状が出ることがあります。
親指の付け根が痩せてくる
進行すると、母指球筋がやせてくることがあります。 この段階では神経障害が進行している可能性があります。
手根管症候群になりやすい人
以下のような方は発症リスクが高いといわれています。
女性
40〜70代
手をよく使う仕事
パソコン作業が多い
糖尿病
甲状腺疾患
妊娠
更年期
また、家事やスマートフォンの使用も関係することがあります。
クリニックで行う診断
整形外科では、次のような方法で診断します。
問診
しびれの場所
夜間症状
症状の経過
などを詳しく確認します。
身体診察
Phalenテスト:手首を曲げてしびれが出るか確認
Tinel徴候:手首を叩いて神経症状が出るか確認
感覚検査:指先の感覚が低下していないか確認
最新研究で注目されている「簡単な診断方法」
近年、手根管症候群を外来で簡単に診断するためのスコアが研究されています。 その代表が CTS-6 と呼ばれる診断ツールです。
評価項目は以下の6つです。
夜間のしびれ
正中神経領域のしびれ
Phalenテスト
Tinel徴候
二点識別覚
母指球筋萎縮
さらに最近の研究では、これをより簡単にした QCTS-6 という診断法が報告されています。
1143例の手根管症候群患者を解析した研究では、この簡易スコアが従来の診断法と非常に強い相関(r=0.976)を示すことが報告されています。
つまり、 問診と診察だけでもかなり正確に診断できる可能性がある ということです。
研究内容は
という論文にて発表されています。

手根管症候群は早期治療が重要
手根管症候群は、早く治療すれば改善しやすい病気です。
治療には次のような方法があります。
手首の安静
装具療法
内服薬
注射治療
症状が進行した場合は 手根管開放術 という手術を行うことがあります。 現在では 小さな切開・日帰り手術 で治療できます。
こんな症状があれば整形外科へ
次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
手のしびれが続く
夜中に手がしびれて起きる
指の感覚が鈍い
親指の力が弱い
手を振るとしびれが軽くなる
これらは手根管症候群の典型的な症状です。
まとめ
手根管症候群は、手のしびれの原因として非常に多い疾患です。
ポイント
成人の3〜6%にみられる common disease
親指〜中指のしびれが特徴
夜間のしびれが重要なサイン
診察だけでも診断できるケースが多い
早期治療が重要
手のしびれを「年齢のせい」と放置してしまうと、神経障害が進行することがあります。 少しでも気になる症状があれば、はせがわ整形外科運動器エコークリニックでの診察をおすすめします。
早期診断と適切な治療により、多くの患者さんが症状の改善を得ることができます。






